成年後見制度申立て手続きの流れ
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成年後見制度の申立て手続きは、次のような手順で進められます。
1.後見開始の審判の申立て
2.面談
3.審理
4.審判
5.後見登記
■1.後見開始の審判の申立て
後見制度を利用する際は、申立人は本人(後見が必要な方)の住所地を管轄する家庭裁判所へ、申請書及び関係書類一式を提出します。
申請に必要な書類は、申請書のほか、大きく分けて「本人についての書類」「後見人候補者についての書類」「本人の財産内容を証明する資料」があります(参考:「成年後見制度手続案内(福岡家庭裁判所)」)。主なものとしてはそれぞれ以下の通りです。
●「本人についての書類」
・医師の診断書
・戸籍謄本
・住民票
・後見等が登記されていないことの証明書
・親族関係図
・財産目録など
・財産、収支の資料
●「後見人候補者についての書類」
・住民票
・後見人等候補者事情説明書
●「本人の財産内容を証明する資料」
・預貯金通帳
・有価証券の取引残高報告書など
・ローン契約書・借用書
・不動産登記事項証明書(不動産登記簿謄本)
・給与明細書、年金証書など
・施設利用料、入院費等の領収書
申立書類の作成自体はそれほど難しいものではありませんが、弁護士や社会福祉士等の専門家に相談するのもよいでしょう。費用は申立費用(収入印紙代800円)、郵便切手(後見の場合は3,500円前後)、登記費用(2,600円)、ケースによっては鑑定費用(通常、上限10万円)がかかります。
必要書類等がすべて揃ったら、申立てを行う家庭裁判所へ面談予約を行いましょう。
■2.面談
申立て後、家庭裁判所で申立人や後見人候補者の面談調査が行われます。
面談内容としては、申立ての理由や、本人の経歴・病歴、財産・収支に関すること、後見人候補者の経歴等を確認します。
■3.審理
家庭裁判所は、申立書類に過不足がないかを確認したうえで、申立書類、調査結果、鑑定結果等などをもとに、本人の状況や取り巻く状況などを総合的に考慮して、後見を開始すべきか、誰を後見人に選任するかの判断を行います。
■4.審判
審理の結果、申立てについて決定を行い、申立人と後見人に審判書を送付します。申立書に記載した後見人候補者がそのまま選任されることがほとんどですが、ケースによっては弁護士や司法書士等が選任されることもあります。不服がある場合は、審判書が後見人に届いてから2週間以内に申立て(即時抗告)を行う必要があります(ただし、誰を後見人に選任するかという点に関する不服申立てはできないことに注意)。
申立てから審判まではほとんどの場合2か月程度で終了します。
■5.後見登記
審判確定後、家庭裁判所から法務局へ後見登記の依頼が行われます。裁判所の依頼後、2週間程度で登記が完了し、法務局で登記事項証明書が発行されます。
後見人選任後は、職務説明等が行われ、後見人は後見が終了するまで、行った職務内容(後見事務)を定期的または随時に家庭裁判所へ報告しなければなりません。
若戸法律事務所は、北九州市を中心に成年後見に関するさまざまなご相談を承ります。
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